純国産ヒノキを専門に天然乾燥で製材しています。
さてますます大好評の連載「住まいの“当たり前”を問いただす」シリーズ。今回はキッチンについてです。
第4回
キッチンは孤立?開放?
~ アイランド型と壁付け/配膳動線と家族との距離 ~
「キッチンは奥まった場所にあるのが普通」
そんな“当たり前”を、あなたは疑ったことがありますか?
かつての家づくりでは、キッチンは“見せない空間”として扱われてきました。
料理中の雑然とした様子や、生活感を隠すのがマナーだった時代です。
でも、最近の間取りでは、キッチンがど真ん中にある家が増えています。
アイランドキッチンやペニンシュラ型など、まるで「主役」のような扱いです。
いったい、なぜこんなにもキッチンは“変化”しているのでしょうか?
「家事の場」から「家族の中心」へ
背景には、家事の分担や暮らし方の変化があります。
かつてのように“お母さんだけが料理をする”家庭は少なくなり、
今では夫婦で料理をしたり、子どもと一緒にキッチンに立ったりする光景も珍しくありません。
そんな中、リビングやダイニングと空間がつながっていることで、
コミュニケーションがとりやすいというのは大きなメリット。
料理をしながら会話をしたり、宿題を見たり、テレビを見たり…
“ながら家事”がしやすいというのも、今の暮らし方に合っているのかもしれません。でも…「におい」「音」「片付かない」が気になる?
でも…「におい」「音」「片付かない」が気になる?
ただし、開放的なキッチンには注意点もあります。
・料理中のにおいが部屋に広がりやすい
・食器の音や換気扇の音がテレビの邪魔に
・来客時に生活感が丸見えになってしまう
こういった点を気にする方には、やはり独立型キッチンの方が安心というケースも。
とくに「おもてなし」を重視する家庭では、見えない場所で準備することが
一つの美学である場合もあります。
配膳や片付けの“動線”はどうなってる?
キッチンは、“孤立”か“開放”かだけでなく、配膳動線や回遊性も重要です。
たとえば、キッチンからダイニングへの距離が長いと、
毎日の配膳や片付けが大変になります。
また、冷蔵庫の位置、パントリー(食品庫)の有無、ゴミ箱の置き場所…
「立って料理する人の動き方」まで考えると、
実はキッチンって、ものすごく間取りと密接に関わっている場所なんです。
キッチンは“誰のための空間”?
どのスタイルが正解かは、その家の暮らし方によります。
・料理が好きで毎日長時間使う人
・忙しくて“ながら家事”をしたい人
・来客が多く、きちんとした印象を保ちたい人
家族構成やライフスタイルによって、
必要な広さも、見せ方も、まったく違ってくるのです。
キッチンは「立ち位置」を考える
キッチンの間取りは、家の“中心”にも“裏方”にもなれる存在です。
どちらが良い・悪いではなく、
**「暮らしの中で、どこにどう位置づけたいか」**が大切な視点になります。
料理をする時間。
家族と過ごす時間。
お客様を迎えるときの気持ち。
それぞれの「キッチンに込めたい思い」を
間取りという“形”で実現していきたいものですね。

次回・第5話 リビングは広ければいいのか?
“心地よさ”と“広さ”の本当の関係、居場所の分散など、
「くつろぎの空間」の当たり前に問いかけます。
それでは今日も1日よろしくお願いします。